貴志川線の設備更新支援 3者で協議

本年度末で赤字補填の行政支援期間が終わる和歌山電鐵貴志川線の今後について、尾花正啓市長は26日、「経営を圧迫している要因である設備更新を中心として、安全運行を徹底する支援を行う方向で3者(県、和歌山市、紀の川市)が合意し、和歌山電鐵と協議している」と方向性を明らかにした。市議会本会議で本昌純議員(至政クラブ)の一般質問に答えた。

近年ローカル線の存続方法として行われている、施設や車両を行政が保有し、鉄道事業者が運行のみを行う上下分離方式での運営については、「試算の結果、自治体の支援額が20億円を超え、いままでと比べて支援が大幅に増加することから難しい」と難色を示した。

和歌山電鐵は平成24年から、黒字経営を目指し、「チャレンジ250万人 あと4回多く乗って永続させよう」のキャッチフレーズで、さまざまなイベントや利用促進運動を行ってきた。25年度の利用者は初年度より18万人多い229万人と和歌山電鐵史上最多を記録したが、26年度は227万人と微減した。

市交通政策課によると、同線への補助は、10年間で計8億2000万円を上限に、赤字分を和歌山市が65%、紀の川市が35%を補助している。26年度は2市で計6400万円の赤字分を補助した。支援期間が終了した来年度からも同線が存続するには、何らかの行政支援が必要なのは明らかで、早急な支援策の決定が迫られている。

上下分離方式の運営はかなわず(貴志川線)

上下分離方式の運営はかなわず(貴志川線)