下落続くも4年連続の縮小 県内基準地価

 県は、土地売買の参考となる県内の基準地価(7月1日現在)を発表した。県全体の地価は引き続き下落傾向にあり、住宅地は平成3年から25年連続、商業地は同4年から24年連続下落したが、住宅地、商業地ともに下落率は同24年から4年連続で縮小した。価格上昇地点は住宅地で昨年の8から9地点に、商業地で昨年の2から4地点に増えた。上昇地点の増加は住宅地で3年連続、商業地で2年連続。

 林地を除く全用途(262調査地点)の対前年平均変動率はマイナス2・4%で、昨年(マイナス3・1%)よりも下落率が縮小した。1平方㍍当たりの平均価格は4万3300円(昨年比900円下落)。262地点のうち、価格が上昇したのは13地点(昨年10)、横ばいは29地点(同20)、下落したのは220地点(同232)となっている。

 住宅地はマイナス2・3%(昨年マイナス3・0%)で下落率は縮小した。同平均価格は3万4700円(昨年比700円下落)。価格が上昇したのは和歌山市中(ふじと台)など同市内3地点を含む田辺市、岩出市などの計9地点で、駅への利便性が高く、道路による交通アクセスが充実している地域、また紀南地方で津波被害のリスクが懸念される地域の高台などで価格上昇が見られた。

 商業地もマイナス2・3%(同マイナス3・0%)で下落率は縮小した。同平均価格は7万8700円(昨年比1000円下落)。価格が上昇したのは和歌山市十一番丁、小雑賀など同市内の4地点で、市中心部の繁華性が高い地域、幹線道路沿いで交通の利便性が良く集客力の高い地域で価格上昇が見られた。

 同平均価格は県内で岩出市のみ、住宅地、商業地ともに下落しなかった。

 価格水準上位地点は、住宅地の1位が「和歌山市吹上4丁目6番10」で1平方㍍当たり18万6000円(変動率5・1%)、商業地の1位は17年連続「和歌山市友田町5丁目50番外」で43万8000円(同0・0%)だった。

商業地の価格1位「和歌山市友田町5丁目50番外」付近

商業地の価格1位「和歌山市友田町5丁目50番外」付近