桜和が優勝 障害者事業所の菓子コンテスト

障害者の働く事業所で作られた菓子のコンテスト「第7回スウィーツ甲子園関西大会」(5日、兵庫県神戸市)に参加した、海南市野上新の「おかし工房 桜和(さわ)」(笠松彩・管理者)の商品「紀州五色バウム」が見事、県内初となるグランプリを受賞した。桜和のサービス管理責任者、拔井(ぬくい)友希さん(37)は「まさかと驚きました。バウムは和歌山の土産にもなるので全国に発信していきたいですね」と喜んでいる。

製品の品質向上や販路拡大を目指し、障害のある従業員の工賃向上を促進することなどを目的に毎年開催し、7回目。大会には近畿を中心に8府県が参加し、代表の各1商品をエントリー。第一印象、味、地域性などで審査員が評価した得点と、一般投票の合計点によりグランプリが決定した。

「紀州五色バウム」は5つの味のバウムクーヘンを一箱に収めた商品。ミカン花のハチミツ、紀州備長炭、色川緑茶、有田ミカン、山椒といった和歌山の素材をふんだんに使い、色も鮮やかな5種類のバウムクーヘンが楽しめる。

桜和がバウムクーヘンを作り始めてことしで5年。毎年1種類のバウムクーヘンを開発しており、ことしは海南市特産の山椒を使った新作が誕生した。大会に参加するのは3回目となり、平成24年には黒色のバウムクーヘン「紀州備長炭」で特別賞を受賞したが、昨年は6位。バウムクーヘン作り5年目の節目に、最高賞のグランプリ受賞を果たした。

桜和で製造を担当する田中佑季さん(29)は「従業員の方とは『食べてくれる人がおいしいと思ってもらえるように作ろうね』と日頃から声を掛けて作っています。受賞できてうれしい」とにっこり。拔井さんは「地元の素材を使ったバウムクーヘンがようやく5色できました。味は一般のお店に負けていません。食べた後にこの商品が福祉施設で作られていることに気付いてもらえたら」と話していた。

「紀州五色バウム」は今月から関西国際空港で販売スタート。海南市名高の市観光物産センター「かいぶつくん」(JR海南駅構内)でも取り扱う予定。

「紀州五色バウム」を手にする拔井さん㊥たち

「紀州五色バウム」を手にする拔井さん㊥たち