火災から文化財守る 紀三井寺で消防訓練
1月26日の「文化財防火デー」に合わせた総合消防訓練が22日、和歌山市の紀三井寺境内で行われた。市消防局職員や紀三井寺自衛消防隊、市消防団名草分団の約40人が、火災から文化財を守る意識を高めた。
同寺は本堂や多宝塔、仏像など、13件が国や県など指定の文化財になっている。護国院松下講堂の厨房から出火し、自衛消防隊の懸命な初期消火活動にもかかわらず、本堂や山林へ延焼の恐れが生じ、消火活動中に自衛消防隊1人が負傷したと想定。通報から初期消火、宝物の搬送、ポンプ車による放水などの一連の訓練が行われた。
訓練後、出口博一市消防局長は「一体となった機敏な動きに、大変心強く思う」と講評。前田泰道副住職は「何度訓練していても実際には気が動転してしまうので、一歩一歩の積み重ねが大事。この一歩を大切にしたい」と話した。