元受刑者の受け入れを 職親PJ和歌山で

企業と連携して元受刑者に職場を提供することで、円滑な社会復帰を支援し、再犯防止を目指す日本財団の「職親プロジェクト」で20日、和歌山での設立準備会議が和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれた。

同プロジェクトは更生には仲間と教育を提供する「中間施設」が必要としており、準備会議では大阪で昨年11月末に同施設を設立した㈱プログレッシブ(大阪市)の黒川洋司社長(44)が話した。黒川社長は、自身が15歳で暴走族に入るなど非行に走った経験があり、29歳で起業。現在は大阪市内で美容室3店舗を経営している。

同社は現在2人の元受刑者を受け入れており、「少年院出身の子は幼少期に愛情を受けていないので、中間施設ではそれを補うことに特化しています」と紹介。家庭崩壊などで身元引受人がいないために少年院などに入所する例も多く、黒川社長は「罪を犯したとしてもそんなに悪い子ばかりではなく、本気で関わる大人に出会うと劇的に変わる少年も多い」と話し、「一人からでも面接してください」と協力を呼び掛けた。

協力企業の千房㈱(大阪市)の中井政嗣代表取締役(71)は、雇用した元受刑者が支店長を任されるまでに更生した事例を紹介。㈱信濃路(和歌山市)の西平都紀子社長(53)や日本財団の関係者は、6月10日まで協力企業を受け付け、6月末に発足する予定の和歌山での活動の概要、国の支援制度などを説明した。

参加した㈱スーパーサンワの和田訓昌グループ専務取締役(30)は「これまでの成功事例を映像などで見る機会があれば、われわれも同様に成功事例を発信したいというモチベーションで取り組めます」と話していた。

参加者に協力を呼び掛ける西平社長㊧

参加者に協力を呼び掛ける西平社長㊧