参院選投票率底上げを 前回は20代が最低

7月10日投開票の参院選では、初めて18歳以上が有権者となり、若者の投票行動が注目されている。平成25年の前回参院選は、和歌山選挙区の5歳ごとの年齢別投票率を見ると、20~24歳が31・22%で最も低く、約70%に達する60~70歳代と比べると半分以下。今回の選挙を通じて、未来を担う若者たちの政治参加への機運醸成が期待される。

前回の参院選で最も投票率が高かった年齢層は、70~74歳で75・91%。若年層は投票率で高齢層を大きく下回っているだけでなく、有権者構成比(5歳ごと)を見ても差は大きい、60~70歳代は8~9%台なのに対し、少子化により20歳代は5%台。20歳代が投票を棄権することは、有権者全体に占める若者の意見や声の比重が一層小さくなることを意味している。

大学生は、住民票を移さずに親元を離れて生活している場合があり、実家が遠方であることを理由に投票に行かない学生もいるとみられ、「学内で投票できる制度があれば」と求める声もある。

総務省は、若者の選挙への関心を高めるため、動画投稿サイト・ユーチューブで踊る授業シリーズ「本能寺の変」が人気になったダンスユニット「エグスプロージョン」が出演する動画「選挙権の変」の配信や、人気若手女優の広瀬すずさんを起用した広報ホームページを制作するなどし、若者に選挙をより身近に感じてもらおうと、あの手この手で啓発を展開している。

県内でも、各自治体の選挙管理委員会が高校で模擬投票の授業を行ったり、啓発を展開したりしてきた他、和歌山の10代投票率を日本一にしようと活動する若者による団体が登場するなど、官民双方から機運を高める動きがあり、若者に身近な選挙の実現が望まれる。