子どもの音が変わる 東京芸大公開レッスン
才能ある未来の音楽家を発掘する東京芸術大学音楽部の「早期教育プロジェクト」が3日、和歌山市の県立図書館メディア・アート・ホールで開かれ、小中学生8人が同市出身のバイオリニストで同大学長の澤和樹さん(61)の公開レッスンを受けた。一人当たり40分指導し、澤さんは「わずかな時間で子どもたちはアドバイスをすぐに自分のものにし、音が変わるのが分かりました。やりがいを感じましたね」と手応えを話した。
同大は文科省の国立大学機能強化事業の一環として平成26年度から同プロジェクトを実施。同大教員が全国に赴いて直接指導しており、県では昨年に初開催。同館との共催で2回目を迎えた。
レッスンには、DVD審査を通過した小学4年から中学2年の8人が参加。今回はバイオリン部門で県出身者として初めて審査を通過した、智弁和歌山中2年の桑原七音さん(13)も受講した。
澤さんは一人ひとりの演奏を聴いた後、自らバイオリンを実演しながら弓の重心や返し方、扱い方などを細かく手ほどき。桑原さんはバッハの「無伴奏パルティータ第1番」より「アルマンド」を演奏し、熱心にアドイスを聴いてレッスンに取り組んだ。
3歳からバイオリンを学ぶ桑原さんは「いつもと違うところを指摘していただき、貴重な機会でした。和歌山でレッスンがあったのも何かの縁だと思いますし、『バイオリニストになりたい』という夢が固まりました」と晴れ晴れした表情だった。