棕櫚たわし特別賞 プレミア和歌山推奨品

優れた県産品をブランド化し県外や海外への販売促進を図る、本年度の県の「プレミア和歌山推奨品」の発表会と内覧会が2月28日、和歌山市湊通丁北のアバローム紀の国で開かれた。41事業者から55品目が認定され、特に優れた商品に与えられる審査委員特別賞には、㈱コーゾー(海南市、田英生社長)の「高田耕造商店 紀州産からだ用棕櫚(しゅろ)たわし檜柄」が選ばれた。

発表会には審査委員長を務めるプロデューサーの残間(ざんま)里江子さん、自らの活動を通じて県の魅力を発信する「プレミア和歌山パートナー」としてコラムニスト泉麻人さん、作家の山本一力さんらが出席。

奨励賞には㈱カワの「一六一八実あらかわの桃」、㈱総本家駿河屋の「本ノ字饅頭(まんじゅう)」、ウメダ電器の「竹スピーカーKaguya」が選ばれた。

発表会の冒頭で仁坂吉伸知事は「毎年、推奨品に選定されることを目指して商品開発や品質向上に尽力している業者の皆さんにお祝いを申し上げる」とあいさつ。残間さんは「9回目となってもなお、この制度が活気づいているのは県職員が熱意を持って生産者へ働き掛けているからで、人の力強さが和歌山の最大の魅力」と話し「選定商品はどれも、失われたものを再生させたり、自然保護との関連など、素晴らしいドラマを持っています」と講評した。

紀州産シュロたわしは一時期、職人の高齢化やシュロ山の消失などで生産が途絶えていたが、高田社長(60)が復活させた。ヤシ科の常緑高木であるシュロの樹皮は、腐りにくく丈夫で良質な繊維が取れるという。それを束ねた同商品は、体を洗う際には適度な刺激がありながら優しい感触を肌に与えることで、特に美容に興味を持つ人や欧米で引き合いが多い。

高田大輔専務(36)は「シュロ山の復活を手掛けてくれた職人も祝福してくれたことがうれしい。選定をきっかけに周囲を盛り上げ、この制度の意味の地域活性を確かなものにしたい」と力を込めて話した。

この他、推奨品に認定された品目の内訳は加工食品34、伝統工芸品1、産業製品7、農産物7、畜産物・ジビエ5、特用林産物1。今回の認定により、推奨品の累計は482品目268事業者になった。

特別賞の賞状を手に高田社長(中央)ら

特別賞の賞状を手に高田社長(中央)ら