災害時活用の井戸を登録 和歌山市6月から
南海トラフ大地震など大規模災害に備え、和歌山市は6月1日、トイレや洗濯などの生活用水として、地域住民に無償開放してくれる市民所有の井戸を協力井戸とする登録を開始する。
登録要件は、①色や濁り、臭いなどがなく、生活用水として適していること②災害時に市民らが速やかに使用できる場所にあること③現在使用している井戸であり、引き続き使用を予定していること④ポンプやつるべなど、水をくみ上げる設備があること――。感染症などのトラブルを避けるため、飲み水としての想定はしない。申請があれば、市職員が現地確認を行い登録する。
担当の市地域安全課によると、市内の井戸の設置総数は把握できていないものの、市衛生研究所が水質検査した井戸の数は、昨年度が278基、27年度が305基だった。
過去には、800~900基の検査を行った年度もあり、相当数が現在も残っている可能性があるという。登録されれば、A4判と同じ大きさの表示プレートが配布され、出入り口など外から見える場所に設置してもらい、周知する。
平成23年の東日本大震災時にも、井戸の使用により、地域の被災者らの生活支援につながったケースもあり、同課は「助け合いの精神で、より多くの市民に協力してもらい、大災害に備えていきたい」と話している。