伏虎に図書400冊 酒直がCSR私募債で

建設資材や石油、食品などを取り扱う総合商社㈱酒直(和歌山県和歌山市十三番丁、中村嘉彦社長)は1日、和歌山市立伏虎義務教育学校(同市鷺ノ森南ノ丁、林素秀校長)の図書室に児童書など約400冊を寄贈した。

㈱紀陽銀行(和歌山市本町、松岡靖之頭取)が、私募債を発行する企業から受け取る手数料の一部を、企業の希望に応じて地域貢献のための寄贈に充てる「紀陽CSR私募債」事業の一環。

酒直は明治38年、海南市下津町で食品や日用雑貨などを扱う商店として創業。昭和24年に和歌山市雑賀町、27年に現在の本社ビル所在地、40年には大阪府内や県南部にも出張所を開設するなど営業の規模と幅を広げた。同社は、会社の成長を支えてきたまちへの感謝を示そうと、同校を寄贈先に選び、書籍の選定は同校の要望に応じた。

寄贈式は同校図書室で行われ、図書委員会の児童生徒約30人も出席した。中村社長は「CSR私募債の仕組みが良い機会を与えてくれた。人は社会に出たらさまざまな知識を問われる。本でたくさんの知識を得て、立派な社会人になってください」と児童生徒に呼び掛けた。

林校長は「図書室は校舎の中心に位置しており、児童生徒らのお気に入りの場所。図書を豊かな心の育成や語彙(ごい)力の向上に役立てたい」、図書委員長で9年生の西村寿初(ことは)さん(14)は「頂いた本を、校内でどんどん紹介していきたい。大切に使います」と感謝の言葉を述べた。

同委員会のメンバーで7年生の女子生徒は「怪談や歴史の本が好きです。それ以外にも、自分に合うものをたくさんの本から選べるようになってうれしい」と笑顔だった。

紀陽銀行本店営業部長の明樂(あきら)泰彦取締役は「今後もCSRを通して企業と共に地元に貢献していきたい」と話していた。

同行が昨年6月から取り扱いを始めた「紀陽CSR私募債」の受託実績は、ことし8月末現在で159件、発行額は138億3000万円となっている。

目録を手に中村社長㊧と林校長

目録を手に中村社長㊧と林校長