焼き鳥ひびきの社長講演 県商議所青年部連
和歌山県商工会議所青年部連合会(坂崎哲郎会長)は2月24日、若手後継者が経営理念を学ぶ講演会を海南市の海南商工会議所で開いた。「みそだれやきとり」を主力商品に国内外に焼き鳥店を展開している㈱ひびき(埼玉県川越市)の日疋好春社長(46)を講師に迎え、参加者約40人が、中小企業と地域社会とのつながりの大切さを熱心に学んだ。
日疋社長は「正直で楽しい商いを!若手後継者経営者に知ってほしいこと」と題し、10代後半から重ねてきた金銭的、精神的な苦労や、地域や支援者への感謝、若手経営者へのアドバイスを分かりやすく話した。
連帯保証人として父親が背負った借金の返済のため、18歳から懸命に働き続けた末、現在は23歳で創業した食品事業を軌道に乗せ、海外での店舗展開も手掛けるほど成長させた歩みを紹介。こうした経験から導き出した経営理念として「自分自身が、四六時中仕事のことを考えていても楽しいと感じられることが大切」と強調した。
また、悪質な債権業者と約10年にわたり関わらなければならず、商工会議所の支援制度などで清算した経験からは「その地域に必要な事業をやっていたら必ず生き残ることができる」と話した。
日疋社長は、農林水産大臣が任命する「6次産業化ボランタリープランナー」でもあり、地域産業の活性化に尽力。地元産の食材や地元メーカーの造った厨房施設を使用し、「農工商を一つの串に」を合言葉に、地域経済の循環や雇用創出に取り組んでいる。
また、曽祖父で海南市出身の信亮さんが、1943年の市制施行に尽力したことを神出政巳市長の一文から知ったのを機に、市特産の紀州漆器のPRにも協力している。