学生消防団の認証制度開始 和歌山市で

 和歌山県の和歌山市は、大学などに通いながら市の消防団員として活動に取り組んだ学生の功績を認め、就職活動を支援する「学生消防団活動認証制度」を開始した。16日に市役所で初めての認証状交付式を行い、4人を認証。尾花正啓市長が、代表で訪れた和歌山大学2回生の平松加奈子さん(20)に認証状を手渡した。

 消防団の若手人材不足を補い、学生の就職支援につなげようとことし3月1日に施行された制度。認証状は就職活動の自己PRに使うことができる。市内在住で大学、短期大学、大学院、専門学校などに通学する学生か卒業後3年以内の人で、1年以上継続的に消防団員としての活動実績がある人が対象。

 初の認定には平松さんの他、関西大学2回生の栗山正大さん(20)、近畿大学4回生の田川真吾さん(21)、四天王寺大卒の松本亜美さん(23)が選ばれた。

 平松さんは大新消防分団の分団長だった父の影響で2016年に同分団に所属。消防学校で新人訓練や救命講習を受け、出初式ではスタッフを務めるなどの活動をしてきた。大学ではシステム工学部でコンピューターグラフィックス(CG)について学んでおり、CGで立体化したハザードマップの作成などにも取り組んだ。

 尾花市長は「防災から地域を知ってもらい、愛着を持ってこれからも住んでもらえたら。経験を生かして地域の防災にも協力してもらいたい」とあいさつ。

 平松さんは「分団では救助するだけでなく、自分たちの安全管理も学んだ。学校ではできない体験ができている。和歌山にいる限りは続けていきたい」と抱負を語った。

 市消防局の大浦正男局長は「学生で高い志のある人に入ってもらうのは、今後起こるとされている南海トラフ地震の時には地域に根差した分団の力が必要になるので頼もしい。皆さんにも入ってもらいたい」と話した。

認証状を手に平松さん(中央)

認証状を手に平松さん(中央)