楠山繁さん死去 和歌山文化協会長、医博
和歌山の文化振興の発展に貢献した和歌山文化協会会長で、和歌山県和歌山市堀止西の医学博士、楠山繁さんが3月29日、亡くなった。88歳だった。
通夜、告別式は近親者で執り行われた。お別れの会などについては未定。
楠山さんは1930年生まれ。55年に県立医科大学を卒業し、70年に和歌山市に耳鼻咽喉科医院を開業。85年から2012年まで県耳鼻咽喉科医会の会長を務めた他、和歌山南ロータリークラブ会長などを務めた。
一方で、和歌山市で現在約100年の歴史を持つ能楽観世流の小林観諷(かんぷうかい)会に1952年に入会。81年には県謡曲流友会を立ち上げ、会長を務めた。95年からは「中秋の名月」の時季に月を愛でながら舞を楽しむ「名月に舞う」の実行委員長を務め、以後、毎年恒例の行事として催し、伝統芸能の裾野を広げてきた。
能楽や謡曲分野での功労が認められ、2001年に知事表彰、06年に文部科学大臣表彰を受けている。10年から7代目の和歌山文化協会会長を務めていた。
同協会副会長の山本秀太郎さんは「真面目で人望のある方
でした。芸術家でスマート。文化協会と和歌山の文化を支えてこられた重要な方を失い、寂しい思いです」と話している。