出動、搬送とも2年連続増 17年の和市消防

 和歌山市消防局は2017年中の救急出動の状況をまとめた。出動件数は2年連続増加の1万9865件(前年比448件増)で、15年に一度減少したが再び増加傾向となっている。搬送人員も2年連続で増え、1万7960人(同109人増)だった。救急隊の現場到着と医療機関収容までの平均時間はいずれも遅くなる傾向があり、課題となっている。

 理由別に出動件数をみると、「急病」が1万2447件(62・7%)でトップ。「一般負傷」が2948件(14・8%)、「交通事故」が2141件(10・8%)と続き、上位3種で88・3%と大半を占めた。1963年に救急業務が法制化されて以降、2014年に初めて、一般負傷が交通事故を上回り、17年も同様だった。搬送者の年齢は、65歳以上の高齢者が58・9%と過半数を占めた。

 搬送した傷病者の程度は、「軽症」65・1%、「中等症」28・7%、「重症」4・8%、「死亡」1・3%だった。

 出動件数は一日平均54・4件で、市民の20人に1人が搬送された計算となる。

 救急隊の現場到着までの平均時間は前年より27秒遅い7分38秒、医療機関収容までの平均時間は58秒遅い32分35秒だった。10年前(07年)と比べると、現場到着は1分3秒、医療機関収容は9分2秒遅くなっている。

 救命などの普及講習は274回実施し、参加者は8760人。うち3時間以上の救命講習が160回、受講者は2991人。1996年からの延べ受講者数は約6万1000人となり、市民の6人に1人の割合で受講したことになる。

 心肺停止状態で搬送した傷病者は395人で、心肺停止の原因が心臓による人が188人。このうち66人が市民(家族や同僚など)の目撃があり、35人が市民による応急手当てを受け、4人が社会復帰に至った。

出動件数、搬送人員の推移

出動件数、搬送人員の推移