県都の商業地が3年連続上昇 18年地価調査
和歌山県は18日、県内225地点の2018年地価調査の結果を発表した。県全体の平均変動率は、住宅地は1991年から28年連続、商業地は92年から27年連続の下落となったが、下落率は7年連続で縮小。和歌山市の商業地は2016年から3年連続で価格が上昇した。
地価調査は、毎年7月1日を価格時点とし、基準値の価格を判定。ことしで45回目となる。
県内の林地を除く全用途の対前年平均変動率は、1・3%の下落で、下落率は前年より0・3ポイント縮小。前年からの継続地点222地点のうち、価格が上昇したのは17地点、横ばいは33地点、下落は172地点となった。
用途別では、住宅地の平均変動率が前年比マイナス1・4%となったが、下落率は昨年の1・6%から縮小。価格上昇地点は、前年より5地点減の11地点で、うち和歌山市が5地点と約半数を占めた。県地域政策課によると、道路の交通アクセスが充実している地域や近隣に商業地や公共施設があり、利便性が高い地域だという。
商業地は平均変動率がマイナス1・1%で、下落率は前年より0・2?縮小した。価格上昇地点は5地点で、いずれも和歌山市となっている。同市の対前年平均変動率は0・2%で、3年連続で価格が上昇。同課によると、中心部の施設が集積している地域や幹線道路沿いの利便性が良く、集客力の高い地域で上昇が見られるという。
工業地の平均変動率はマイナス1・3%だが、下落率は1・2ポイント縮小した。
都道府県別の全国順位(上昇率の高い順)は、住宅地が39位で前年から順位を一つ下げた。商業地も同様に三つ下げ、33位となった。近畿地方ではいずれも6位となっている。
価格上位地点は、住宅地の最高が「和歌山市吹上4丁目6番10」で、1平方㍍あたりの価格は19万4000円。前年比0・5%の上昇で、6年連続の最高価格地点となった。商業地の最高地点は「和歌山市友田町5丁目50番外」で、1平方㍍あたりの価格は43万8000円。変動率は5年連続の横ばいだが、20年連続の最高価格地点となった。
同課は今回の結果について「地価は一本調子で上がりにくいが、不動産を取得するリスクは薄れている」と分析している。