お菓子振興条例制定を 海南の商店主ら請願

和歌山県海南市内で菓子の製造販売を手掛ける事業主や飲食店店主らが、「お菓子の振興に関する条例」の制定を求める請願を、開会中の市議会定例会に提出している。同市はかんきつ類の橘の木が日本で最初に伝来した地とされ、橘ゆかりの市内の橘本神社は、菓子の神様・田道間守(たぢまもり)を祭っている。菓子に注目してもらい、観光の目玉として地域振興に役立てることを目指している。

請願したのは、地元の有志グループ「鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会」のメンバーら。橘本神社の前山和範宮司や㈱野田商店「3時のかんぶつやさん」の店主、野田智也さんらが、神社や菓子を活用したイベントの開催、田道間守の飼い猫と設定されている猫のキャラクター「海(かい)ニャン」を使ったPRなどで地域活性化を目指す取り組みを進めている。

条例案では、菓子関係事業者が独自商品の開発や菓子の食べ方の考案などの取り組みを主体的に行うこと、市民は菓子発祥の地への理解と関心を深め、市や事業者の取り組みに協力するよう努めることなどが盛り込まれている。

請願は建設経済委員会での審議を経て、20日の本会議で採択される見通し。

野田さんは「海南市がお菓子発祥の地であることを市民の皆さんが誇りに感じ、県内外で発信していただけたらうれしい」と話し、請願の採択、条例制定に期待している。

「海ニャン」と実行委員会メンバーら

「海ニャン」と実行委員会メンバーら