過去最高の1556億円 19年度の和市当初予算

和歌山県和歌山市は12日、2019年度当初予算案を発表。一般会計は過去最高額の1566億8303万円(前年度比3・8%増)、特別会計、公営企業会計を合わせて2955億3616万8000円(同1・7%増)となった。一般会計の歳入では、企業収益の増加などによる法人市民税の伸びを見込み、歳出は、新市民会館の整備費などで増加している。19日開会の市議会定例会に提出される。

市財政局は予算案について、大学誘致や耐震性のない公共施設の再編などの拠点づくりが20年度に完了し、15年度に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の検証や次期総合戦略に向けた検討に加え、25年の大阪万博に向けたまちづくりの準備を進め、生まれ始めたまちの成長を確固たるものにし、さらなる成長に向けた取り組みを進める「未来の発展につなげる予算」と位置付けている。

新規事業は32件で、継続事業の本格的な始動に伴う増額がほとんど。継続事業では、住民税非課税世帯の0~2歳と3~5歳の全ての子どもの幼稚園、保育所、認定こども園の保育料無償化や、本町・芦原認定こども園の開園準備、企業とのマッチングと職場実習の推進といった障害者の就労支援の取り組み強化などを拡充する。

【一般会計歳入】
自主財源が45・2%、依存財源が54・8%の構成比。自主財源のうち市税は、企業収益の増加に伴い法人市民税が増加する見込みなどから前年度比4億7306万円(0・8%)増の582億8213万円となった。

依存財源は、臨時財政対策債を含む実質の地方交付税が1・8%増。市債は30億2000万円(27・1%)増で、台風などの災害復旧を含む建設事業債の増加(19億3000万円)などが要因となっている。

【一般会計歳出】
義務的経費は前年度比26億2000万円(3・0%)増の889億2000万円。扶助費は16億円(3・6%)増の464億3000万円で、法改正に伴い児童扶養手当費が4億5000万円増となったことなどが影響している。

投資的経費は42億4000万円(24・6%)増の214億6000円。認定こども園開園に向けた施設整備、新市民図書館の開館準備など子育て、教育、福祉関係施設の整備費による増額が23億3000万円に上り、支所・連絡所などのブロック塀改修、災害復旧を含む防災減災対策事業費も4億4000万円の増となっている。

主な事業は、本町・芦原の認定こども園開園に向けた施設整備と準備に14億6703万円、新市民図書館の開館準備に2億4972万円、市営駐車場を周縁駐車場として、まちなかに歩行者空間をつくるフリンジ駐車場の機能強化に4億7239万円などとなっている。