音楽軸に和歌山舞台のオムニバス映画 31日
和歌山を舞台に、地元の人たちが出演する映画「Music! My Life」の上映会が31日午後5時から、和歌山市の和歌山県民文化会館小ホールで行われる。初監督を務めたのは、音楽活動をする同市の原見浩司さん(50)。音楽を軸にした短編10作品をつなぎ、一つの物語にしたオムニバスで、製作開始から約5年を費やした。原見さんは「楽しくて、切なくて、笑える映画。それぞれの人生と、音楽がふれ合った時に生まれる物語を感じて」と話している。
音楽が好きだった原見さんは上京し、28歳の時、3人組バンド「Birth」のギターボーカルとしてデビュー。その後は地元に拠点を移し、現在も仕事の傍ら、県内外で音楽活動を続けている。
昔から映画が好きで、いつか作品を作ってみたいとの思いがあった。映画製作へ背中を押したのは、8年前、がんの宣告を受けたことだった。幸い術後の転移もなく現在は完治したが、一時は死をも覚悟。「今、やりたいことをやっておかなければ。映画を撮りたい」と強く感じたという。
「CDを聴くかのように映画を鑑賞し、10話で完結させるものを」と、和歌山の良さを発信しながら、人と人をつなぐ活動にしたいと考えた。
自ら脚本を書き、音楽仲間や親しい友人たちに声を掛け、地元アーティストやアナウンサー、芸人、ダンサー、高校生など、小学生からお年寄りまで108人が出演。市内のライブハウスや和歌山城、工場地帯、紀の川河川敷、星林高校、有田市のミカン農家など全て県内で撮影した。
短編は出会いや別れ、青春、親子の絆のストーリーなどで、コメディーの要素を盛り込んだものも。1作品につき7、8分。1話で完結するが、音楽でつなぎ一つの物語としてまとめた。
原見さんは「ふと耳にした音楽で、昔の出来事や記憶、香りが思い出されることがある。音楽はそれほど人生と密接に関わり、日々の生活に身近なものであることを実感してもらえるとうれしい」と願う。
映画上映後は、ネット上での動画配信も検討しているといい「和歌山にも、こんな楽しい遊びをやっている大人がいることを知ってもらえれば」と話している。
上映前の午後1時からは、映画の挿入歌を手掛けたアーティストによるライブステージもある。
チケット1500円。問い合わせはNPO法人つなごら和歌山(℡073・461・5141=午前9時~午後3時、日曜を除く)。