現場主義に徹した経産相時代 和歌山発展のため今後も懸命に

このたび、参議院自由民主党幹事長を拝命いたしました。参議院の独自性を発揮しつつ、謙虚で丁寧な国会運営に努め、先の参議院通常選挙でいただいた和歌山の皆さま方の負託にしっかり応えていく決意です。
3年間強にわたる経済産業大臣の在任時には、グローバルな視野を高く保ちながら、徹底的な現場主義に立つこと、迅速かつ中身のあるコミュニケーションをとること、そして何より世の中にとって意味のある成果を実現することを信念として職務にあたりました。
人手不足と低い生産性という中小企業の構造問題に具体的な処方箋を出すことが大臣としての大きな課題でした。総額1500億円のものづくり・IT補助金、事業承継税制の抜本的拡充などの、現場を動かすインパクトのある政策を実現しました。また、しっかりと政策が現場で活かされるように、地域経済を牽引することが期待される企業を選出し、支援機関とネットワークするサミットを各地で開催しました。
政策が机上の空論となることを防ぐには、現場の声をしっかりと聞くことが重要です。グローバルに活躍するスタートアップを創出するために、J―Startup企業を選定し官民で集中支援を行うプログラムを始めましたが、対象企業と直接話をする中で、300万円以上の政府調達から排除されてしまうとの声がありました。これを受けて直ちに制度改正に着手した結果、全省庁の調達ルールが見直され、今ではJ―Startup企業は、全ての政府調達に参加できるようになりました。
ライフワークである下請対策については、就任早々に「世耕プラン」をまとめ、価格決定方法やコスト負担の適正化、支払条件の改善といった下請対策の柱となる施策を推進しました。そして、自動車業界などの個々の業界に働きかけ、50年ぶりの下請法通達改正を実現しました。手形取引ではなく現金決済による取引が増加するなど、現場で対策が浸透しています。
台風、地震、そして大雨と頻発する大規模災害への対応も重要課題の一つでした。昨年の台風21号の被害に遭われた地元和歌山をはじめとする被災地の現場に足を運び、何よりも被災者に寄り添った対応を心がけました。ソーシャルネットワークを活用して情報をリアルタイムに発信する、そして、エアコン、段ボールベッドなどのプッシュ型支援を展開するという迅速かつ役に立つ支援を行いました。
エネルギー政策では、昨年の7月にエネルギー基本計画を改定しました。その中では脱炭素化を実現するキーテクノロジーとしての水素に着目しています。水素利活用については、2017年に世界で初となる水素についての国家戦略を策定しました。この戦略をグローバルに進めるために、昨年10月に21の国・地域・国際機関を集め、水素閣僚会議を開催しました。そして、本年6月のG20エネルギー・環境大臣会合の閣僚声明では、史上初めて水素活用に向けた各国の約束が盛り込まれました。国内に目を転じても、本年5月には、和歌山県で初となる水素ステーションが開設されるなど、水素利活用に向けた歩みが着実に進んでいます。
大阪・関西万博の誘致成功も大きく記憶に残っています。最終盤でロシアが肉薄する激しい誘致合戦でしたが、松井大阪府知事としっかりとタッグを組み、チーム一丸となって最後まで粘り強く誘致活動を展開したことが成功の鍵であったと思います。将来にレガシーを残す万博となることを期待します。
この他にも、通商交渉・経済外交、輸出管理の運用見直し、福島復興、社会保障改革などに取り組み、和歌山県代表の政治家として大きく成長することができたと思います。これからも引き続き、日本、そして和歌山県の発展のため粉骨砕身、一生懸命に努力してまいりますので、今後とも、温かいご支援をよろしくお願いいたします。