HYDEサザン運行 なんば駅でお披露目

 和歌山県和歌山市出身の人気ロックミュージシャンで、同市のふるさと観光大使を務めるHYDE(ハイド)さんがデザインをプロデュースした南海電鉄の特急「HYDEサザン」が23日、難波―和歌山市・和歌山港間で運行を開始した。難波駅のホームではお披露目セレモニーが行われ、多くのHYDEファンが見詰める中、遠北光彦社長や尾花正啓市長らがテープカットを行って運行開始を祝った。

 「HYDEサザン」は特急サザンの座席指定車両4両が対象。車両全体に友ヶ島の砲台跡をイメージしたレンガ造りのデザインが施されている他、和歌山城、日前宮、ポルトヨーロッパなど市内の観光名所も描かれている。ことし1月に市内で開かれたHYDEさんのコンサート当日のパフォーマンスシーンや、SNSで和歌山の情報を発信する際に使用しているハッシュタグ「なんて素敵な和歌山なんでしょう。」もデザインされている。運行は来年10月ごろまで。一日最大6往復し、運行しない日もある。

 セレモニーが行われたホームでは、ファンがカメラを手に列車の到着を待ちわびる中、午前10時50分ごろにHYDEサザンが入線。一斉にシャッター音が響き、ホームは興奮状態に包まれた。

 遠北社長は列車のデザインについて「観光客誘致に貢献できる個性的なデザインとなっている」と自信を見せ、「和歌山市には歴史観光のスポットに加え見る、遊ぶ、食べるスポットがたくさんある。国内外の多くの皆さんに広く魅力を知っていただけたら」と期待を寄せた。

 尾花市長は「HYDEさんにSNSで和歌山市のことをつぶやいていただき、大きな反響があった。市にはきれいなところやおいしいものがある。HYDEサザンに乗って聖地・和歌山市を訪れていただけたら」と笑顔で話した。

 HYDEさんは祝電で「このような企画が実現してとても光栄に思います。僕の高校は難波にあったため、サザンに乗って和歌山市から通っていました。僕自身も早くこのサザンに乗って和歌山へ帰りたいです!みなさんにもこの列車を可愛がってもらえると嬉しいです」と言葉を寄せた。

 セレモニー列車には和歌山大学の学生ら関係者約60人が乗車。11時18分に丹治務駅長の合図で出発し、住之江駅まで走行した。この日は午後6時40分難波発和歌山市行きをはじめ、難波―和歌山市間を2・5往復した。

 友人らと4人でお披露式に駆け付けたという大阪市の酒野奏音さん(27)は「10年ほど前からHYDEさんのファンで、きょうをとても楽しみにしていました。車体にメッセージも入っていてめっちゃ良かったです。サザンに乗って、HYDEさんがSNSでプッシュされていたところを巡ってみたいと思います」と話していた。

テープカットで運行開始を祝う遠北社長㊧、尾花市長㊨ら