災害に備えネームホルダー 片男波自治会

災害時には自分の命を守るとともに、近所の人々と助け合う共助も重要とされる。一方で核家族世帯や一人暮らし世帯が増え、隣人の名前を知らないという人も多くなった。和歌山県和歌山市の片男波自治会では、地区に住む約820人に自治会活動で使うネームホルダーを配布。助け合いの意識を高めるとともにあいさつができる隣人を増やしたいとしている。

同地域では、自力での避難が難しい人や援護できる人の住所・連絡先を掲載した災害時助け合い登録を行っている。玉置成夫会長が、高齢化が進む東京都の団地で行われている安否確認のためにネームホルダーを作った取り組みを知り、防災意識を高め、有事の際、助け合うには顔と名前が一致したほうがスムーズにできるのではないかと提案。役員会で内容を協議し、班長協力のもと住民に名前を記入してもらった。

ホルダーは本人の名前と住んでいる地区と班を記載。区ごとにストラップの色を変えている。裏面にはかかりつけ医と血液型を記入できるようになっており、緊急時の搬送や対応がスムーズにできる。

自治会では堤防清掃や避難訓練など、地域活動の際に付けて、名前を覚え合いながら近所との親交を深めてもらいたいとしている。玉置会長(83)は「普段からの災害への意識付けにつながるとともに、近所の人と顔見知りになって、災害時の活動がスムーズになれば」と話している。

色分けしたネームホルダーを手に玉置会長

色分けしたネームホルダーを手に玉置会長