「影響なし」0%に コロナ禍県内企業調査

新型コロナウイルスの企業活動への影響について、東京商工リサーチが行った第12回アンケート調査(1月5~14日)で、「影響はない」と答えた和歌山県内企業がついに0%となり、政府や自治体の資金繰り支援策を利用した企業は62・9%に達した。感染防止と経済活動維持の間で中小企業の苦境は長期化している。

調査はインターネットで実施し、有効回答1万2176社のうち県内の70社分を集計した。

県内の企業活動への影響は、「継続している」の70%(49社)を最多に、「今後出る可能性がある」が22・9%(16社)で続き、「影響が出たがすでに終息した」が7・1%(5社)。「影響はない」と答えた企業がなくなり、感染第3波により、これまで影響を回避できていた企業にも影響が出始めた可能性が考えられる。

昨年12月の売上高について、前年同月を上回った企業は27・1%(19社)にとどまり、前年割れが48・6%(34社)、同水準が21・4%(15社)だった。

国や自治体、金融機関の各種給付金や融資などの支援策を利用した企業は62・9%(44社)で、今後利用する可能性があるとした企業8・6%(6社)と合わせて前回調査(昨年12月)と同水準の71・4%(50社)。利用予定はないと答えた企業は28・6%(20社)だった。

感染終息までの期間が長引いた場合、廃業を検討する可能性があるとした企業は7・6%(5社)で、検討時期は「7~12カ月」「25カ月以上先」が各2社、「4~6カ月」が1社。2020年と比較して21年は倒産や廃業が増加すると「思う」と答えた企業は54・4%(37社)と過半数に達し、「やや思う」の36・8%(25社)と合わせて9割以上が増加すると見ていることが分かった。

国の20年度第3次補正予算に事業再構築補助金が盛り込まれたことを受け、今後の事業再構築の意向を聞くと、「答えられない」「分からない」と答えた企業を除く50社の内訳で、「今後2年以内に意向はない」が最多の60%(30社)。「コロナ禍後、すでに行っている」が12%(6社)、「今後1、2年で大幅に行うことを考えている」が8%(4社)、「今後1、2年で部分的に行うことを考えている」が20%(10社)だった。

県内では新型コロナ関連の倒産は3社(1月29日現在)だが、運転資金の円滑な供給や与信枠拡大に支障が生じた場合、経済の再活性化は阻害されかねず、同社は「現在の資金繰り支援を継続しつつ、収束後の円滑な経済再開を見据えた取り組みに切れ間が生じないように、企業と金融機関、政府、自治体は再確認する必要がある」としている。