高層建物での火災想定 中消防署が対応訓練

消火訓練をより実践的な内容にしようと和歌山市中消防署は、和歌山市毛見の和歌山マリーナシティにあるリゾートマンション、シエルヴィータで高層建物火災を想定した訓練を実施した。

地上28階建ての屋上階で火災が発生し、エレベーターが使用不可となった状況を想定。急行した消防隊員が屋外の非常階段を使い、出火場所まで駆け上がり消火活動を行った。

隊員11人が3班に分かれて、1階から出火場所の屋上階を目指した。建物火災対応装備の着装と必要な資機材を合わせた総重量約20㌔を携行し、5~8分かけて階段を上った。現場に到着後すぐに消火栓につなぎ、消火ホースを延ばして火のある方に向けて放水の構えを行った。

到着して素早く消火活動するには隊員の体力を温存しておくことが必要だといい、これまでは和歌山市役所屋上の14階で訓練したのが最上階だったため、隊員にとって今回はハードな訓練になったようだった。

同マンション副理事長の岩本公美子さんは「災害時のために皆さんに訓練をしてもらい安心した」と話した。

小野光生南分署長は「災害が発生した場合、非常階段は消火活動の動線となると同時に住民の大切な避難路にもなる。避難する人を考えて安全な活動を心掛けてほしい」と講評した。

消火ホースを構える消防隊員

消火ホースを構える消防隊員