ダイバーが愛した海の写真 6日までアクア
2019年に39歳の若さで亡くなったダイビングガイド、白石拓己さんの写真展が、和歌山市満屋のギャラリー&カフェ・AQUAで開かれている。6日まで。
白石さんは1980年大阪生まれ。幼少期を和歌山で過ごし、和歌山工業高等専門学校に入学。大学に編入した後、クマノミの研究を始めてからダイビングに没頭。パラオや高知県柏島での修行後、フィリピンのマクタン島でオーナー兼ガイドとして活躍した。
白石さんの作品が日の目を見ることなく埋もれてしまうのはもったいないと、昨年の神奈川に続き、2回忌のことしはゆかりのある和歌山での開催となった。
とにかく生き物が大好きで、ゲストに良い写真を撮ってもらうのを喜びとするような人だったという白石さん。ガイドをしていたマクタン島を中心に撮りためた作品24点が並ぶ。
クジャクベラを捉えた写真は、背景の黒とカラフルな体の対比が際立った美しい作品。自身が考えたキャラクターで、目と鼻の穴が開いたかわいい表情のブンブクウニの白い殻「ぶんぶくん」をモデルにしたものもあり、ピンクのサンゴの下のぶんぶくんがまるで花見をしているように見える作品など、新しい視点の作品も白石さんは楽しんで撮っていたという。この他、親魚の口の中で孵(ふ)化した子どもが元気よく旅立つ瞬間を捉えた写真や背面のライトがまるで満月に見え、その中を魚が泳いでいるような作品も並んでいる。
来場した白石さんのダイビング仲間の田口勝さん(72)は、白石さんが亡くなった後、同島へ線香と花を持って弔いに行ったという。「早いな、懐かしいな、寂しいなという気持ち。明るくて楽しい人で、海での新しい写真の撮り方をいつも提案してくれた」と話していた。
午前10時から午後5時まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・463・4640)。