渋沢栄一の絵本 商工会議所青年部が寄贈

和歌山商工会議所青年部は21日、子どもたちにお金の大切さについて伝える絵本『おかねってなぁに?』150冊を和歌山市に寄贈した。商工会議所の創設者で、「日本の資本主義の父」といわれる渋沢栄一を題材にしたもので、絵本は今後、市内全ての小学校と図書館、各コミュニティセンターの図書室に配布、活用される。

絵本の監修は、渋沢栄一のやしゃごの澁澤健さんが務め、企画、立案は日本商工会議所青年部広報委員会(北村英博委員長)が担当した。

渋沢は、2024年をめどに発行される新1万円札の肖像画としての採用が決まっている。

絵本は、クラウドファンディング(CF)を利用して集めた協賛金で作製。ことし3月26日に完成した。製本した絵本2万2000冊のうち、1万6500冊は全国の商工会議所青年部を通じて小学校や図書館などに寄贈するという。

絵本には渋沢が登場し、お金の役割や大切さ、正しい使い方などを伝えるもので、イラストが多く使用され小学校低学年の児童にも分かりやすい内容。同氏の言葉や生涯を紹介する年表などもあり、親子で読んでも楽しめる。

この日、市役所で寄贈式が行われ、青年部の島垣利光会長が尾花正啓市長に絵本を贈呈。尾花市長から感謝状を受け取った島垣会長は「渋沢氏の考え方を広く知ってもらい、お金のことをよく知った大人になってもらいたい」と話し、尾花市長は「子どもたちが渋沢氏を知る良い機会になる」と感謝した。

島垣会長は「お金について分かりやすく書いた本は少ない。読みやすい本を通じて、渋沢氏のことを知ってもらい和歌山で事業をしたいという子どもたちが出てきてくれればうれしい」と話していた。

 

絵本を手にする(右から)北村委員長、尾花市長、島垣会長、阿形博司教育長