「第5波の可能性高い」 感染拡大で呼び掛け
和歌山県福祉保健部の野㞍孝子技監は20日、県庁で記者会見し、県内の新型コロナウイルスの感染状況が11日以降、顕著な上昇傾向を示しているとして、「第5波の入り口に入った可能性が高い」と危機感を示した。
県内では、3月14日以降の第4波が6月でほぼ収束し、小康状態となっていたが、7月11日から感染者が再び増加。感染状況の指標の一つ、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、11日が県全体で1・8人、和歌山市で3・7人だったのが、19日には県全体で3・9人、同市で7・6人まで増加している。
県内はこれまで、隣接する大阪府の感染拡大に伴って感染者が増加。府の同指標は19日で22・9人に達し、爆発的な拡大を示す「ステージ4」の目安25人に迫っているため、野㞍技監は県内の増加傾向を「大きな波につながりかねない上昇」とみている。
第4波は各年代に感染が広がっていたが、11~19日の感染者44人は、20代が18人で最も多く、60代以上の高齢者が3人にとどまっているのが特徴。高齢者へのワクチン接種が進んだ効果の可能性はあるが、若い世代を中心とする活発な活動が感染につながる恐れもある。
より感染力が強く、重症化リスクも高いとされるデルタ株(インド型)の感染が東京を中心に増加し、県内でもすでに3件を確認。さらに6件にデルタ株の疑いがあり、国立感染症研究所で検査中となっている。
県は、東京や大阪などでの会食を控えることや、県内への帰省は慎重に行動すること、冷房使用時も定期的に換気をすること、症状があれば通勤通学せず、すぐにクリニックを受診すること、ワクチン接種後もマスク着用などの対策を継続することを呼び掛けている。