寺本紀美野町長が死去 優しい人柄で慕われ
和歌山県紀美野町の寺本光嘉(みつかず)町長が2日午前3時ごろ、病気のため入院先の和歌山市の病院で死去した。76歳だった。
町によると、先月21日の職務を最後に24日から治療のため入院していた。
通夜は3日午後7時から、同町国木原577番地4の五色台聖苑で行われた。葬儀は4日正午から同所で。喪主は長男の幸弘(ゆきひろ)氏。香典、個人からの供花、お供えは辞退する。
寺本町長は和歌山市出身。県立向陽高校を卒業し、1963年県庁に入庁。土木部道路建設課副課長などを経て95年に旧野上町の助役に就任。2006年に旧美里町と旧野上町の合併に伴う紀美野町長選挙で初当選した。以後は連続当選し、現在4期目だった。
寺本町長は二つの町が合併し、町民が一つになるよう「融和」を目指し、まちづくりや福祉に尽力。「子は宝」とし、保育所の建て替えや学校にICT導入など教育にも力を注いだ。
7月には、大規模改修工事を終えた町立の「みさと天文台」をリニューアルオープンさせたばかり。オープン前、寺本町長は「いよいよオープン。素晴らしい施設なので、ぜひたくさんの人に来てほしい」と笑顔で話していた。町職員からも「おおらかで懐が深く、とても優しかった」と慕われていた。
新町長の就任までは、小川裕康副町長町が職務代理を務める。また、公職選挙法の規定により、職務代理者が町長の死亡を町選挙管理委員会に通知してから50日以内に町長選挙が行われることとなる。
県を良くする戦友 訃報受け仁坂知事
寺本さん死去の報を受け、仁坂吉伸知事は3日の定例記者会見で、「入院しておられることも知らず、突然の連絡を受けてびっくりしました。非常に残念です」と話した。仁坂知事は、町に関係する県の事業では寺本さんから的確で情熱を傾けた要請を受けてきたとし、近年実現した例として町内の幹線道路である国道370号の改築工事を挙げた。「本当に立派な和歌山県を良くする戦友の一人を亡くしてしまったということで大変残念な思いが致します」とその死を悼んだ。