俳句結社「鳥」発足 『星雲』の精神継ぎ

俳誌『星雲』の主宰で、昨年11月に亡くなった和歌山県海南市の鳥井保和さん(享年68歳)の作句精神を引き継いだメンバーらが8月、結社「鳥」を発足させた。同月には、準備号として初の俳誌『鳥カウントダウン0号』を発刊。11月には創刊号を予定している。同会代表の小川望光子さん(69)は、「まだ生まれたばかりの雛でヨチヨチ歩きだが、いつか大空を飛べるように」と願いを込める。

新しい会の名前は、鳥井さんの一文字から取った「鳥」。同氏の遺言「一誌、一代」を尊重しことし2月、2007年から続く俳誌『星雲』を終刊、新たに「鳥」としてスタートを切った。鳥井さんの『星雲』の作句精神である「有季定型」「自然随順」「景情一如」を継承し、季刊紙を3カ月ごとに発行する予定。

同会のメンバーは、68~87歳の34人。和歌山市、海南市を中心に、神奈川県や福井県にも会員がいる。句会は月2回開き、投句も受け付けている。主宰制を採らず、会員相互が切磋琢磨(せっさたくま)し、みんなで会を盛り立てていくスタイルで、選句も選評も全てメンバーで行う。さまざまな視点で選び選評した句は、投句した本人からも新たな見方ができると評判だという。

小川さんは「『みんなで楽しんでつくる』、これを基本にやっていきたいと思っている。今後は、他の結社とも親交を深めていければ」と話していた。

同会への入会希望や季刊誌についての問い合わせは、小川代表(℡073・482・3096)。

8月に発刊された準備号を手にする小川代表

8月に発刊された準備号を手にする小川代表