過去最大の175億円 岩出市22年度予算案
岩出市は24日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は5億5150万円増の175億2300万円。前年度比3・2%増で3年連続で過去最大となった。中芝正幸市長は会見で、「各種事業を推進するため、『健全財政の堅持』を財政運営の軸とした」と述べ、国土強靭(きょうじん)化対策や下水道整備、福祉の充実などを重点事業とし、同市の将来像「活力あふれるまち ふれあいのまち」の実現を目指す。
第3次長期総合計画(2021~30年度)の重点事業である「下水道整備」、「国土強靭化対策」、「学力向上」、「福祉の充実」、「観光振興」を重視。特に「国土強靭化対策」事業の予算を前年度比152%増の6億4000万円に増額した。そのうち併設するプール跡地も含めた東公園(西国分)一帯を防災公園として整備するのに2億4634万円。市内3カ所の公園に配置を予定している大規模災害発生時の「災害支援活動拠点となる地域避難場所」に同公園を位置付け、プール槽跡地に耐震性貯水槽、防災用備蓄倉庫兼公衆トイレ、自家発電設備などの設置を行う。今秋完成予定。
また2030年度の完成を目指す市道金屋荊本線新設改良事業(総延長1680㍍)には2億7574万円を計上するなど、自然災害の被害を最小限に抑える取り組みをさらに推進する。
その他の主な新規事業として、紀の川左岸河川敷に計画している高齢者用スポーツ施設整備事業(全体面積1万5000平方㍍)に1億200万円、給水体系の強化と老朽化に伴う水道送水管の更新を図るための基本設計業務委託費として1820万円などを計上している。
特別会計と公営企業会計を合わせた予算総額は前年度比2・3%増の332億円でこちらも過去最高額となった。
予算案は3月3日開会の2月定例市議会に提案される。
【歳入】
自主財源は前年度比5・1%増の70億6700万円で全体の40・3%。市税は調定実績と地方財政計画に基づく算出による増加で、前年度比4・7%増の60億9900万円。繰入金は同比34・5%増の2億6900万円。貯金に当たる財政調整基金と特定目的基金繰入金の増加が要因。
依存財源は、社会保障関係費の増加や重点事業の推進で国県支出金が増加するなどし、同比2%増の104億5600万円。借金にあたる市債額は臨時財政対策債の減少で同比66・6%減の2億8700万円に下がった。
【歳出】
義務的経費は前年度比1・7%増の90億円。内訳は人件費が職員の若返りなどで同比2・6%減の26億2200万円、扶助費が障害者総合支援給付費の増加で同比5・5%増の52億1500万円。投資的経費は、防災公園と高齢者用スポーツ施設整備などにより同比20・4%増の14億5200万円。新型コロナウイルス対応予備費については前年度の2億円から5000万円に減額計上している。