梅雨空に映える500株 願成寺のアジサイ
アジサイ寺として知られる和歌山県海南市別所の願成寺では、約500本のアジサイが見頃を迎えている。
平年より8日遅く、昨年より2日遅い近畿地方の梅雨入りが発表された14日、待ちわびた雨にぬれた境内のアジサイは、青や紫の色彩が一層際立ち訪れた人の目を楽しませた。
同寺は約850年前に湛慶上人が待賢門院(たいけんもんいん)の冥福を祈るために建立したといわれ、本尊の木造千手観音坐像は鎌倉時代の作で、国の重要文化財に指定されている。
境内には白やピンクのガクアジサイや山アジサイなどがあり、参拝者はカメラを手にハート型のアジサイを見つけたり、コケの歩道とアジサイを撮影したり、釣り鐘を背景に収めるなどお気に入りのアングルを見つけ、雨の日のひとときを楽しんでいた。和歌山市の60代女性は「アジサイとお寺の雰囲気が好きで毎年来ている。アジサイに雨はよく似合っていてとても癒やされた」と笑顔だった。