一服と草花で心豊かに 文協茶道部チャリティー

野の草花を生ける実演と茶席を楽しむ、和歌山文化協会茶道部(永岡一惠部長)のチャリティー花寄(はなよせ)茶会が4日、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれた。

城下町和歌山を華やかに彩り、伝統文化に親しんでもらおうと催され、新型コロナの影響で、呈茶と合わせての実施は3年ぶりとなった。

来場者はゆったりとお茶を味わった後、3枚の花寄びょうぶが用意された隣の会場へ。掛けられた約30の花入れに、会員らが次々と野の草花を挿し入れるデモンストレーションを楽しんだ。

花は部員が庭で育てたものがほとんど。陶器やかご、竹など素材や形もさまざまな花器に、自然の中に咲いているように、花本来の姿を引き立てるように挿していった。

ハギやケイトウ、シロタデ、ワレモコウやススキなど、野の草花がびょうぶを彩り、指名を受けた来場者も、花寄に挑戦。味わい深い花々に「風情があって心が落ち着く」「こんな取り合わせもすてき」などと見入っていた。

永岡部長は「9月に、これほどの花をそろえるのは大変で、部員や花に感謝の思い。皆さんの前で披露できる喜びがあり、今回の開催は特別ですね。大勢の方がこういう会を待ち望んでくれていたことに感激です」と話した。

初めて呈茶席に参加したという桐蔭高校茶道部の女子生徒2人は「緊張しましたが、お菓子もお抹茶もおいしくいただきました」「間近でお花を選ぶ過程を見ることができて、とても勉強になりました」と笑顔で話していた。

この日の収益は後日、日赤県支部に寄付される。

草花でびょうぶを彩る部員

草花でびょうぶを彩る部員