世界を「神ゲー」に ファミスタの父講演
ファミコンの人気野球ゲーム「ファミスタ」の製作者で、「ファミスタの父」とも呼ばれる岸本好弘さん(63)が、和歌山大学付属中学校(和歌山市吹上、南正樹校長)を訪れ、「どうやって人に楽しみながら行動してもらうのか」をテーマに講演。ゲームの裏側にある、ワクワクするような面白い仕掛けづくりを紹介し、生徒らに「現実世界でもつまらないものをワクワクに変えていく仕掛けをつくっていきましょう」と呼び掛けた。
同校では、3年間を通して総合的な学習の時間にSDGsについての学習を進めている。2年生140人は1年次から「世の中で活躍している人から学ぶシリーズ」と題し、さまざまな分野で活躍する人からSDGsに関連する講演を聞き、SDGsの観点で仕事を見つめた時にどんな発見があるのか、これからどんな夢が広がっていくのかを学んでいる。
同シリーズ3回目の今回は、ナムコ(現バンダイ・ナムコ)のゲームクリエーターとして活躍し、現在は日本ゲーミフィケーション協会(東京都)の代表を務める、「きっしー」こと岸本さんが講師として登壇。
ゲームには「主人公を自由に動かせる」「頑張ればクリアできる」「褒められる」の三つの〝人をやる気にする〟仕掛けがあるとし、「現実社会でもこういう仕掛けをすれば、SDGsにおいても楽しく続けられるし、もっとワクワクしながら参加できるのでは」と提案した。
また、楽しくて“ハマってしまう”ゲーム要素を活用して能動的に人を行動させる仕組みを指す「ゲーミフィケーション」(ゲーム化)の考え方や、実践方法なども紹介した。
自身の夢は「世界を神ゲー(面白いゲームのこと)にすること」とし、「一人ひとりがつまらないで終わらせず、ゲーミフィケーションの考え方を学べば、皆さんの人生もこれからの世界も、もっとワクワクしたものになるはず」と伝えた。
毎日ゲームをするというゲーム好きの今井琉惺さん(14)は、「ゲーミフィケーションの考え方を、今後の受験勉強などにも生かしていきたい」と話した。