山下、西川さんが金メダル アビリンピック

障害のある人たちが職業技能を競い合う「第42回全国障害者技能競技大会」(アビリンピック)で、喫茶サービス競技の山下優香さん(32)=ホテルアバローム紀の国、和歌山市=、オフィスアシスタント競技の西川陽規さん(23)=紀陽ビジネスサービス㈱、同=の2人が最高賞の金賞に輝いた。和歌山県代表の金賞受賞は1992年以来、30年ぶりの快挙となった。

今回のアビリンピックは11月4~6日、千葉市の幕張メッセで開かれ、全25種目に全国の地方大会を勝ち抜いた361人が出場した。

喫茶サービス競技は、模擬喫茶店で来店した客を案内し、注文を受けた品を提供し、テーブルの後片づけをするまでの一連のサービスを評価する。客の立場を意識し、正確でスムーズに、くつろいで過ごせるサービスを提供することがポイントとなる。

山下さんは8回目の全国出場で、これまでに銅賞3回、努力賞1回の入賞経験がある実力者。「特に修正すべき点はない」との評価も受け、僅差で手が届かなかった金メダルを「ことしこそは取るぞ」との思いで、客に心地良く感じてもらえるよう、笑顔の接客を強く意識した。

競技には45人が参加。1回目は緊張で思うように力を発揮できなかったが、休憩時間に「もっと積極的に」とのアドバイスを受け、望んだ2回目は「緊張せず、笑顔でお客さまに接して、やり切った感じがあった」。会心の笑顔で念願の優勝を手にした。

オフィスアシスタント競技は、書類の発送準備と郵便物の仕分けからなり、A3サイズの書類の片袖折り、冊子への正誤表挿入、宛名ラベル貼りなどの作業がある。必要な書類を正しくピックアップし、スピーディーかつ正確に折り畳むことや、部署名が書かれていない郵便物を名簿などで確かめて分類するなど、丁寧で手際の良い作業が求められる。

6回目の出場となった西川さんは、これまで入賞経験はなかったが、過去にできなかった課題を研究し、「今回は結果を出したい」と思って競技に挑んだ。

銀賞までの入賞者の名前が発表される中、「ことしもダメだったか」と思ったが、最後に自分の名前が呼ばれた。「コツコツとやってきて良かった。金を取れてうれしい」と喜びがこみ上げた。

2人は12日、県庁の仁坂吉伸知事を訪問し、金賞の快挙を報告。仁坂知事は2人をたたえ、以前の大会との違いなどを質問し、「本当におめでとうございます。今後もこの勢いで頑張ってほしい」と激励した。

 

金メダルを手に笑顔の山下さん㊨と西川さん