制服リユース広がる KAKAYAの活動4年目

NPO法人はぐくみが運営する「制服リユースSHOP KAKAYA(かかや)」(和歌山市秋月、木野歩美代表)は、学生服を再利用し、買い求めやすい価格で必要な家庭に提供する事業に取り組んでいる。卒業・進学のシーズンを迎え、店の利用とともに、不要になった制服の提供への協力を呼び掛けている。

子どもが着る制服は、成長に合わせて短期間で買い替えが必要になることや、洗い替えを用意するには高価で、ためらってしまうことがあるなど、経済的負担に感じている家庭は少なくない。また、学校を卒業したり、サイズが合わなくなったりすると、家の中でしまわれたままになったり、廃棄されたりしがち。

そこで木野代表は、不要になった制服を再利用し、子育て家庭の支援、リユース作業を通じた高齢者の社会参加などに役立てる事業を発案。2019年12月から学校や企業に協力を呼び掛け、和歌山市内の高校を中心に、制服や体操服などの回収を開始した。20年12月には同NPOを立ち上げ、リユースショップの運営を始め、活動は4年目を迎えている。

制服は状態を確認した上で、ホックやボタンの付け替え、補修、クリーニングなどを行う。名前などの刺しゅうを外す作業は、デイサービスを利用する高齢者に依頼している。

現在は、市内を中心に県立、市立、私立の高校約20校や各中学校などの制服約6000着が集まっており、協力の輪の広がりにより、全サイズがそろう学校も増えてきた。

販売価格は通常の3分の1程度。採寸して注文する通常の購入方法と違い、試着できることも好評の理由の一つで、「きれいで安くて助かる」「もっと早く知りたかった」などの声が寄せられ、利用者は前年の約2倍に増えているという。

ものを大事にしたい人、SDGsを大切に考える人、リユース制服で抑えたお金を他のことで子どものために使いたい人、成長を見越して少し大きいサイズの制服を用意しておきたい人など、「それぞれの価値観で利用していただき、喜んでもらえている」と木野代表。利用の広がりは、経済的困難を抱える家庭にとっても使いやすさにつながると考えている。

詳しい情報はホームページに掲載。利用の予約はLINE(@kakaya)が便利。問い合わせは同NPO(℡080・6114・9578、メールkakaya@kakaya2020.com)。

制服の回収も受け付け中。紀北の県立高に15日まで、きのくに信用金庫の9店舗に5月31日まで、和歌山ビッグ愛1階(和歌山市手平)に常時、回収ボックスを設置している。

制服リユースの利用を呼び掛ける木野代表

制服リユースの利用を呼び掛ける木野代表