2024年末に閉校予定 海南下津高で修了式

和歌山県内公立高校で唯一の女子校で、2024年3月末で閉校する海南市立海南下津高校(同市下津町、柳和希校長)で24日、本年度の修了式が行われた。

同校は、海南市高校と下津女子高校の同市立2女子校が合併し、07年に開校。専門学科としての家庭科(食物科、家政科)を有する県内唯一の全日制高校で、卒業と同時に調理師免許が取得できる。入学志願者の減少などにより閉校が決まり、現在は食物科16人、家政科2人の計18人が通う。

地域に学び、地域に貢献する「衣食住とヒューマンサービスにかかわる生活産業」を担う職業人(スペシャリスト)の育成を目指し、特色ある教育活動を展開。

食物科は、旧下津女子高校食物科の伝統を受け継ぎ、プロの専門調理師による各種料理の実習指導や、総合調理実習での年間2000食を超える「海南下津弁当」作りなど、食育に関わるさまざまな取り組みを行ってきた。

家政科は、食物、被服、保育、介護などの家政学を専門的に学び、各種事業所でのインターンシップなどを通して実践的な技術を身に付けている。

修了式で柳校長は「修了式は一年を振り返る日。この一年の一つひとつのことに感謝して、次へ向うエネルギーに変えてほしい。4月に良いスタートを切れるよう生活してください」と式辞。生徒会長の藤井葵さん(17)は「自分のやれることは全部やり、後悔のない一年にしたい。生徒みんなの意見に寄り添い、一つになって楽しい最後の一年になるよう努力したい」と話した。

閉校まで1年となり、柳校長は「最後の一年は生徒たちにたくさんの思い出をつくってあげたい」と話し、コロナ禍で中止となっていた「海南下津弁当」の販売、地域の人たちとの交流の復活など、さまざまな企画を予定している。

 

柳校長の話を聞く生徒ら