県庁内保育所「前向きに」 県議会一般質問

和歌山県庁内への保育所の設置について岸本周平知事は20日、設備や運営費用などの課題があるとしながらも、前向きに検討する考えを示した。同日の県議会一般質問で森礼子県議(自民党、和歌山市)の質問に答えた。

岸本知事は、県庁の建物内で最適な保育を提供する場所を確保できるのか、設備の整備や運営に多額の費用を要するなどの問題を解決する必要があるとし、県財政も財政危機宣言を発出する厳しい状況とした上で、「課題一つひとつを真摯(しんし)に検討し、早期の職場復帰を希望する職員の声に耳を傾け、県庁内の保育所の設置について、前向きに検討する」と答弁した。

同日の質疑ではこの他、林隆一県議(日本維新の会、和歌山市)が、高校・公立大学の授業料無償化を進める大阪府の政策を受け、県でも実施する考えはないかを質問。岸本知事は「現時点では同様の制度を創設することは、なかなか難しい」と否定的な認識を示した。

岸本知事は、県内で無償化を実施するには、概算で高校に約11億円、県立医科大学に約3億円の計14億円の財源が毎年必要になると説明。仮に財源が捻出できた場合でも、「より多くの方々の教育費の負担軽減につながるような取り組みに、その財源を使っていきたい」と述べた。