海難救助の技術向上へ 海保と消防が訓練
海難現場での合同捜索に向けた、相互の連携強化などを目的に、和歌山市消防局(同市八番丁)の潜水隊員と、海上保安庁の機動救難士は22日、同市加太の県消防学校で合同潜水訓練を行った。
主に、機動救難士から潜水隊員へ技術を指導する形で実施。同市では約10年前から行われ、新型コロナの影響で5年ぶりとなる。
ことしは、潜水隊員5人(中消防署3人、東消防署1人、北消防署1人)と、関西空港海上保安航空基地の機動救難士3人が参加。
約20㌔のボンベなど、全身に約30㌔の装備を身に着け、縦25㍍、横12㍍、最深部4・5㍍のプールで訓練を行った。
目を覆うマスクやシュノーケル、フィンなどの基本装備や、体の状態などを確認するドルフィン、水中を上下に移動し、耳抜きを行う垂直素潜りで開始。装備のアクシデントに対応するための障害ドルフィンや、1点を目がけて円になって潜水する環状捜索訓練、転覆船などを想定した障害突破訓練など、さまざまな状況下に備えて多岐にわたる内容で実施した。
同市消防局警防課副課長の黒田滋之消防司令長は、「学んだ技術をそれぞれの署に持ち帰り、署の隊員にしっかりとフィードバックしてほしい。そして和歌山市消防局全体の技術を向上させたい」と話した。