無病息災願う風物詩 淡嶋神社で甘酒祭
酒造りの神である少彦名命(すくなひこなのみこと)を祭る和歌山市加太の淡嶋神社で3日、秋の大祭「甘酒祭」が行われた。
新米のこうじで造った甘酒を神殿に供え、五穀豊穣、無病息災を願い、祝詞を奏上。みこが境内で炊いている甘酒に、祈祷(きとう)を済ませたこうじを加え、参拝客に振る舞った。大鍋で炊かれた甘酒は約80㍑。境内は甘酒から漂うショウガの香りに包まれた。
昨年まで新型コロナ感染予防のため、水筒やペットボトルに甘酒を入れ持ち帰ったが、ことしは4年ぶりに境内で飲むことができた。
前田智子宮司(55)は「コロナやインフルエンザなどが広がらず無病息災を願い、境内でゆっくり甘酒を楽しんでほしい」と話した。
毎年、訪れているという和歌山市の村端康子さん(86)は「きょうは涼しくてようやく秋を感じた。ここの甘酒はショウガがたっぷりでとてもおいしい」とにっこり。
同市の山口多喜子さん(76)は「夏は暑さで家にこもっていたが、これから涼しくなって外出しやすくなる。甘酒を飲んで冬を健康に過ごしたい」と話していた。