オーガニック給食 和歌山市立小で実施へ

和歌山市は、市立小学校の一部で、農薬や化学肥料を使わない有機野菜などを使った「オーガニック給食」の提供を始めた。市立小全校での実施を目指し、11月中には児童数200人以下の小規模14校を対象に試験的に実施し、農業従事者や納入業者、学校現場での課題を探る。

市ではオーガニック給食の提供は、地域経済の活性化、食育環境の促進、子どもの心身の成長を助長し環境保全にもつながると期待。4月から食材納入元の農家を探すなどの取り組みを始めた。今回の試験実施では、有機JAS認証を受けた市内産のサツマイモを使い、大学芋かハニーポテトを提供するという。

市教委保健給食管理課の川端邦元班長は、食材の物量確保や有機野菜ならではの不ぞろい、土付きといった調理上の手間、児童の好みなどの課題があるとした上で「農家や業者から地元食材を買い取り、給食に出すという受け皿になることで数少ない市内の農家を支援し、さらに農業に携わる人が増えて良い循環につながれば」と話した。

このほど、広瀬小学校の給食に大学芋が提供された。1年生~6年生の162人が味わい、「おいしい」「ちょっと硬めのかみ応え」などと、コロナ禍での黙食期間を経て、楽しくおしゃべりしながら味わっていた。

5年1組の金谷麻央さんは「めっちゃおいしい。今までこんなに味わって食べたことなかった。これからも(農家さんに)おいしい野菜を作ってほしい」と笑顔で話した。

市教委によると、給食の全品に地元食材を使うのは難しい現状にあるとしながらも、2025年度をめどに児童数400人以上の大規模小学校を含め、市内全小学校で月1回、市産食材を使った献立の定期提供を目標としている。

大学芋のおかわりに並ぶ児童たち

大学芋のおかわりに並ぶ児童たち