応援を力に駆け上がる 紀三井寺で速駈詣り

和歌山市の西国三十三所2番札所・紀三井寺で8日、本堂までの急な石段を駆け上がって参拝し、一年の無事を祈願する「福開き速駈詣り(はやがけまいり)」があり、県内外から集まった6歳から85歳までの健脚自慢約150人がタイムを競った。

社会人を中心とした地元ランニングクラブの「汗濁(あせだく)大学アスリートクラブ」と同寺が共催。急な傾斜で知られる石段を楽しく参拝してもらおうと2018年に始め、コロナ禍の影響で中止となった21年を除き、成人の日に実施してきた。親子や夫婦で挑む参加者も多く、新春の恒例行事として定着している。

本堂へ続く231段のうち、楼門から最上段までの210段を使い、参加者は2人一組でスタート。ふんどしや、干支(えと)の辰(たつ)にちなんだコスチューム姿、わらじをはいて参加する人、阪神タイガースのユニホームにタイガーマスクをかぶり「ことしもアレや」と見物客とハイタッチを交わしながら頂上を目指す人など、さまざま。

つまずいたり、足がもつれそうになったり、四つん這いになったりしながらも、周囲からの「まだまだここから」「自分との闘い」「腕振って」などの力強い声援に背中を押され、ゴールしていた。

達成者には、御朱印入りの速駈証を授与。最速の「速駈王」は、京都の石田諒太さん(34)が24秒59のタイムで3連覇を達成。大阪の柴田友香さん(32)が33秒98で「速駈姫」2連覇となった。

最高齢の「健脚王」は和歌山市の野坂光博さん(85)で、1分45秒でゴール。50代半ばから走り始め、ジャズマラソンのハーフにも出場しているといい「ことしも無事に上り切れてうれしい。周りの応援は大きな力になった。新年の良いスタートになりました」と笑顔で話していた。

 

声援を受けながら石段を駆け上がる参加者