特殊詐欺に加担しないで 弁護士会が授業

若い人たちがSNSなどを通じて犯罪に加担するいわゆる「闇バイト」などに関わるのを防ごうと、和歌山弁護士会は14日、和歌山市冬野の智弁学園和歌山高校で、特殊詐欺に関する教室を開いた。1年生約240人を対象に、特殊詐欺に巻き込まれないために必要なことなどを呼びかけた。

同会が学生向けに特殊詐欺に関する授業をするのは初めて。9人の弁護士が6クラスに分かれ、「犯罪に巻き込まれないために」と題して60分間の授業を行った。

B組では北祐輔弁護士(33)が特殊詐欺の例として、オレオレ詐欺や架空請求詐欺、還付金詐欺などを説明。被害者から現金を受け取る「受け子」の立場で「皆さん自身が加害者になってしまう可能性がある」と強調し、実例を再現した警視庁の動画も交えて注意を呼びかけた。

北弁護士は、受け子は、高収入なアルバイトとしてSNSでの勧誘があることも伝えた。一度加担すると「逮捕されるまでやめられなくなる」と話した。受け子は逮捕されると実刑判決を受け、容疑者として名前が世間に公表され、多額の賠償金を背負う可能性があることも伝えた。

特殊詐欺に巻き込まれないために、勧誘を受けた際には目先の報酬でなく犯罪に加担してしまうことを想像し、冷静に考え、家族や警察らに相談することが大切だと呼びかけた。

B組の矢沢天空(そら)さん(16)は「特殊詐欺の受け子は身近にあることだと分かり、怖く感じた。受け子も実刑になると知りびっくりした」と話した。

同会の和田篤弁護士(47)は「学生は今後社会と交わる機会が増えると思うが、安易に特殊詐欺に巻き込まれないようにしてほしい。(誘われたら)立ち止まって考えて」と話した。

加害者にならないよう呼びかける北弁護士

加害者にならないよう呼びかける北弁護士