地元有志が鳥居建立 「不動の滝」入り口に

和歌山県紀美野町初生谷(ういだに)にある「不動の滝」の入り口に、地元有志らによって鳥居が建立され、24日に竣工式が行われた。

同滝は、高さ約30㍍。滝の前には不動明王が祭られ、昔から地域の守り神として信仰されてきた。滝の岩は、不動明王や観音様に見えるといわれている。

近年、同滝はパワースポットとして知られ、遠方からも訪れる人が増えたが、滝への入り口が分かりづらいとの意見もあり、地元有志が地域に呼びかけて寄付を募り、鳥居を新設することとなった。

鳥居は高さ約3㍍、幅約2㍍で紀州ヒノキ材で作られており、道路から脇道の滝へと続く参道に設置された。

竣工式には、同地区や花野原地区の住民や関係者ら約20人が参加。海南市大野中の春日神社の三上秀信宮司が祝詞を奏上し、玉串をささげた。

有志代表の坂明雄さんは「皆さまの協力のおかげで初めて鳥居ができた。大変めでたい日。ありがとうございます」とあいさつ。有志の浦晴雄さんは「鳥居の建立により、聖域との区分ができた」と話した。

三上宮司は「鳥居に風がスッと抜け、良い気が来ている。鳥居をくぐり、きょうの天気のようにすがすがしい気持ちでお参りしてください」と話した。

その後、住民らは三上宮司に続いて順番に鳥居をくぐり、滝へ向かい不動明王に手を合わせた。同地区に住む重谷ヤエ子さん(90)は「子どもの頃、よくここで遊んだ。鳥居ができてうれしい。感謝したい」と喜んだ。

祈祷(きとう)する三上宮司

祈祷(きとう)する三上宮司