梅の降ひょう被害21億円超 県が特別融資

和歌山県は22日、3月20日に降ったひょうによる県内の梅の被害額が21億5274万9000円に確定したと発表した。2000年以降の降ひょうによる梅の被害では、06年の約25億5000万円に次いで2番目に大きい規模。県は被害を受けた農業者への支援策として、無利子の特別融資を行う。

梅の実が傷付く被害が、主要産地の田辺市、みなべ町を中心に、有田川町、印南町、日高川町、白浜町、上富田町、すさみ町の計8市町、4168㌶で確認され、3月28日時点の前回発表より7億8482万8000円増えた。

ことしの梅は、暖冬の影響で花が通常より早く開花し、受粉が進みにくかったことで実の数が少なく、生産量の減少が見込まれていた上に今回のひょうの被害が重なった。また、ひょうが降った時期は葉がほとんど出ておらず、実にひょうが当たりやすかったことも被害を大きくしたと考えられている。

特別融資は、経営維持に要する経費を上限200万円で貸し付け、利子は県と市町村、JAで補給することで、農業者の利子負担はなし。償還期限は5年(元本の据え置き期間2年)。各JAで5月7日~9月30日に融資を受け付ける。

国の支援策として、被害面積の割合や国内需給に与える影響が大きいと判断した場合には、自然災害被害果実加工利用促進等対策事業が実施され、農協などに対し、被害果実の加工利用に関する掛かり増し経費などを対象に、2分の1以内で補助が受けられる。

22日の定例記者会見で岸本周平知事は「農家の皆さんは本当に大変なことだと思う。これからも寄り添って、いろんな施策を打っていきたい」と述べた。

ひょうが当たり傷ついた梅の実(県提供)

ひょうが当たり傷ついた梅の実(県提供)