亡き人、ペットへ思いを 慈光院で護摩法要
和歌山市栄谷の真言宗・慈光院(酒井照雲住職)で4月28日、「春季護摩供」が行われ、先祖供養や交通安全、無病息災などの祈願と、愛犬や愛猫など他界したペットたちを供養した。
護摩供は、春と秋に行われ、護摩木をたくことで天上の仏の世界で暮らす先祖やペットへ、煙と共に願いや思いを届ける。2年ぶりに参列者を入れて行われ、約30人が見守る中、本堂で読経の後、屋外で護摩たきが行われた。
酒井住職らが護摩木を釜に積み上げ、家内安全や健康成就などとしたためた添護摩を一つひとつ読み上げ、火に入れてたき上げ、参列者は焼香をして冥福を祈った。
酒井住職は「死ぬことは生まれてきた時の約束。亡くなった人や動物は仏の世界で平等に暮らしている。思いを伝えることで喜んでいる。つながりや生きていることに感謝してほしい」と話していた。
同院は、家族同然で暮らしたペットに対しても成仏してほしいとペットの供養もしていることから、旅立った動物に宛てた手紙もたき上げている。
昨年、愛犬を亡くしたという同市木ノ本の50代女性は、手紙を書いたといい「届いたかな。まだ寂しいけれど供養していただいて気持ちが静まる」と話した。酒井住職は「一言でも手で書いてあげると喜ぶ。皆さんの持っている徳でペットたちは成仏している。今ごろ天上で手紙が来たとワイワイやっている。悲しまなくて大丈夫」と話した。
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炎を前に祈願する酒井住職
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