男性の育休取得率アップ 労働条件実態調査
和歌山県の2023年度労働条件等実態調査で、県内事業所の年次有給休暇取得率は66・3%(前回21年度比12・1㌽増)、男性の育児休業取得率は36・9%(同23・9㌽増)に増加したことが分かった。子の看護休暇や介護休暇の時間単位での取得を規定している事業所の割合も増えている。
調査は隔年での実施。今回は県内事業所2000カ所を対象に昨年7月31日時点で行い、有効回答率は57・2%。
有給休暇の取得率は、産業別で医療・福祉が70・5%、製造業が70・0%の順に高い。時間単位の取得を認めている事業所の割合は36・8%で、前回より1・4㌽増えた。
育児休業の制度を規定している事業所は84・0%(前回比0・6㌽増)。取得率は男性で大きく伸びた一方、女性の92・4%(前回比2・4㌽増)との差は依然として大きい。育児休業の利用期間は、男性が「2週間未満」、女性が「1~1年半未満」でそれぞれ最も多くなっている。
育児の支援措置として多いのは、短時間勤務制度(58・0%)、所定外労働の免除(43・4%)、始業・終業時間の繰り上げ・繰り下げ(26・3%)など。従業員からのニーズは短時間勤務制度が41・4%で最も高かった。介護の支援措置でも同様の傾向がみられる。
育児・介護休業の導入や運用の問題点では、「代替要員の人材確保が難しい」(育児37・4%、介護33・5%)、「利用する者が少ない」(育児35・6%、介護48・5%)との回答が多かった。
子の看護休暇制度がある事業所は67・3%(前回比0・7㌽増)、時間単位での取得を規定している事業所は56・9%(同5・9㌽増)。介護休暇制度がある事業所は68・1%(前回比0・2㌽増)、時間単位での取得を規定している事業所は56・7%(同6・1㌽増)で、いずれも増加している。
パートタイム労働者については、正社員と職務内容が同一で、同一の賃金を支給している事業所は6・4%。職務内容が同一でも賃金が異なる事業所が32・0%となり、同一労働同一賃金は進んでいない。パートから正社員への登用があった事業所は2・1%(同0・4㌽減)にとどまった。
管理職(係長相当職以上)に占める女性の割合は22・7%(同1・2㌽増)。割合が高かったのは、産業別では医療・福祉(48・6%)や教育・学習支援業(42・7%)で、従業員の規模別では30人未満(33・1%)が最も高かった。
ワーク・ライフ・バランスについて何らかの取り組みを実施している事業所は89・9%(前回比3・0㌽減)。具体的な内容は、年次有給休暇の取得促進が91・8%(同4・8㌽増)で最多、次いで相談窓口の設置が59・9%(同4・2㌽増)となっている。