特殊詐欺被害防止 きのくに信金2人に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山北署は24日、きのくに信用金庫事務部副部長の神山忠雄さん(51)と、同信金楠見支店支店長の東村孝誠さん(49)に感謝状を贈った。

同署によると5月7日午後4時20分ごろ、同信金インターネットバンキングに不正アクセスが検出されたため、神山さんと東村さんは、不正アクセスに関係する70代の女性の顧客宅を訪問。女性は初め、「問題ない」などと話していたが、神山さんらが粘り強く詐欺の手口について説明したところ、女性はようやく「警視庁の警察官をかたる者から電話があった」と話した。

電話では「あなたの口座に麻薬などの販売で得た数百万円が振り込まれている。その口座を止めるのにキャッシュカードが必要」「今回の件は捜査中なので絶対に他言してはならない、他言すれば逮捕する」などと言われた。女性に心当たりはなかったものの、警察官をかたる者に毎日電話をし、言われるがままにキャッシュカードを作った旨を神山さんと東村さんに打ち明けた。

詐欺被害に遭う寸前だったことが分かり女性と一緒に北署に行った。

神山さんと東村さんの迅速な行動により、女性の特殊詐欺被害を未然に防いだ。

神山さんは「詐欺を未然に防止できるよう、本部として引き続き取り組んでいきます。営業支店とも連携し、被害を発生させないようにしていきたいです」と話した。

東村さんは「特殊詐欺を防ぐにあたり、金融機関は最後のとりでといわれている。ご来店された方の本人確認を徹底するとともに、窓口でお客さまと柔軟な会話をすることで大切なご預金をこれからも守っていきたいと思います」と話していた。

 

感謝状を手に神山さん(左から2人目)と東村さん(同3人目)