ぶんだら特別大使に就任 わんだーらんど

第56回紀州おどり「ぶんだら節」を盛り上げようと、吉本興業・和歌山県住みます芸人で和歌山市観光発信人の「わんだーらんど」のまことフィッシングさん(39)、たにさかさん(39)の2人が市初の「ぶんだら特別大使」に就任した。市役所で1日、委嘱を受けた2人は「一緒に踊ろらよ!」と多くの市民の参加を呼びかけた。

ぶんだら節は、紀州が生んだ江戸中期の豪商・紀伊国屋文左衛門の意気と壮挙をイメージし、その名にちなんで名付けられた民謡。踊りは1969年、市制施行80周年を記念し、郷土芸能の育成や市民相互の連帯などを願って作られ、市の夏の風物詩として親しまれている。

かつては2日間にわたって開かれ、最盛期の1983~85年には130連以上、2万1000人余りが踊りに参加していたが、少子高齢化などの影響で、近年は学校や地域による連の参加もみられなくなり、2010年代に入ると参加者が6000人を割り込む年も出てきた。

市は、市民の祭りとして、観覧にとどまらない参加者を再び増やそうと、「連~縁(つながり)の再生」をコンセプトに、「共創~観覧・参加から担い手へ」をテーマに掲げて取り組みを推進。18年からぶんだら節のPRに協力し続けている「わんだーらんど」が特別大使となることで、さらなる機運醸成を目指す。

「わんだーらんど」は第50回から、誰でも当日に踊りに加われる「飛び入り連」を率い、それまでは30人程度だった飛び入り連の参加者を500人超にまで拡大。学校などを訪問する普及啓発キャラバン、県立和歌山工業高校生とのコラボレーションで、飛び入り連参加者にプレゼントする記念木札の作成などにも取り組み、ぶんだら節を盛り上げる「顔」となっている。

委嘱式は市長室で行われ、尾花正啓市長と紀州おどり実行委員会の宇治田良一会長が「わんだーらんど」の2人に大使の委嘱状を手渡し、たすきをかけた。

尾花市長は「共創のテーマの下、大使に就任していただき、ありがたい。コロナ禍では地域の祭りがなくなってしまった所もあった。市民の最大の祭りである『ぶんだら節』を、多くの人の手で作り上げたい」と話し、特別大使2人の活躍に期待を寄せた。

たにさかさんは「誰でも参加でき、笑顔になれるのが『ぶんだら節』の魅力。見るのも楽しいが、踊った方がより楽しいので、市民はもちろん、県外や海外にも一緒に踊ろうと伝えていきたい」、まことフィッシングさんは「和歌山市のお祭りなのに、あまり知らない子どももいる。『小さい頃から踊っていた』という人を増やしたい。大使に任命されて気合が入っているので、加太まで踊り続けていくぐらいの気持ちで頑張りたい」と意気込みを話した。

第56回紀州おどり「ぶんだら節」は8月3日午後4時50分から9時まで、和歌山城周辺のけやき大通りや西の丸広場で行われる。

尾花市長㊧、宇治田会長㊨と共に、ぶんだら特別大使の「わんだーらんど」

尾花市長㊧、宇治田会長㊨と共に、ぶんだら特別大使の「わんだーらんど」

関連記事

同じカテゴリのニュース一覧