全身骨格化石を展示 新種ワカヤマソウリュウ

和歌山県有田川町で発見された海生爬虫(はちゅう)類・モササウルス類の新種「ワカヤマソウリュウ」の全長約6㍍(推定)の全身骨格化石を紹介する特別展「よみがえるワカヤマソウリュウ」が13日、海南市船尾の県立自然博物館で始まった。9月1日まで。

化石は2006年2月、同町の鳥屋城山で推定約7200万年前の地層から発見された。約8割の部位が残っている世界でも数少ない完全な形をとどめた、極めて貴重な全身骨格化石。昨年12月に「ワカヤマソウリュウ」と命名された。学名は「メガプテリギウス・ワカヤマエンシス」で、海の王者としても知られている。

展示では、ワカヤマソウリュウの頭骨や椎骨、肋骨など、部位を特定できた化石全てを公開。どんな姿をしていたのか、他のモササウルス類にはないユニークな特徴などを知ることができる。

化石一式の他、完全復元した実物大の頭骨レプリカ、他種モササウルス類等の縮小頭骨模型、化石クリーニング作業の動画上映など45点以上を紹介している。

小原正顕学芸課長によると、ワカヤマソウリュウは、頭骨より長い前後の脚ヒレや前よりも長い後ろのヒレを持つのが特徴。頭部より長いヒレを持つのはワカヤマソウリュウだけ。また、椎骨から背びれもあったのではと考えられるという。

小原課長は「とにかく化石を見て迫力を感じてほしい。県内だけでなく全国の人にも見てもらいたい」と話している。

他にも、6種のモササウルス類と魚竜、現生オオトカゲの頭部模型のコーナーや、発掘現場で発見されたアンモナイトやサメの歯などの化石も並ぶ。ワカヤマソウリュウのぬいぐるみや解説書の販売もある。

入館料は大人480円。高校生以下無料。午前9時半~午後5時。月曜休館。問い合わせは同館(℡073・483・1777)。

化石について説明する小原課長
化石について説明する小原課長