貴重な「儒典」など200冊 山東省から県へ寄贈
和歌山県と中国・山東省の友好提携40周年記念で、同省の出版社「山東出版集団」が県に寄贈した約200冊の本が和歌山市手平の和歌山ビッグ愛8階、県国際交流センターに展示されている。同省で生まれた中国春秋時代の思想家・孔子にまつわる書籍をはじめ、さまざまなジャンルの本が、閲覧、一部貸し出しが行われている。
200冊の中で最も貴重な書籍が、山東省人民出版が発行した『儒典』シリーズで75冊ある。儒教の始祖、孔子の教えについて書かれている。その他、食、工芸、遺跡など文化についての本や、孔子の74代目にあたる子孫が、孔子の思想や一族の家系などについて書いた本などもある。日本語で書かれた書籍は、全体の3割ほどある。
パンダを題材にしたものや言葉辞典、おとぎ話など小学生以下の子どもでも楽しめる本もあり、中国の昔話が英語で書かれた絵本もある。
同センター職員の中尾静さんによると、「子ども向けの本は国や言語を問わず読み聞かせにお薦め」として「さまざまなジャンルがあっていろいろな人が楽しめます」と話している。
山東省政府の職員が昨年10月に同センターを訪れた際、資料閲覧室に古い中国語の書籍が数多くあることに感銘を受け、本を寄贈したいとの提案があったという。書籍は、ことし4月の提携40周年の記念訪問に合わせて寄贈された。
書籍と共に、山東出版集団から書籍コーナーを名付けてほしいとプレートも贈呈。同省曲阜にある孔子の誕生地「尼山」にちなんでつけられた「尼山书屋(ニーシャンスウウー、书屋=本屋)」と記載された寄贈プレートが飾られている。
中尾さんによると、中国文化についいて日本語に翻訳された本は、県内の図書館などにもあるが、中国の母国語で書かれた本は少なく、県内で最大規模という。中国語を学ぶ人も多く、在留中国人などからも関心が高まっているという。
同センターの常務理事、北山徹事務局長は「40年の節目に、和歌山と山東省の交流を改めて体感できる書籍コーナーになった。興味のある方から研究している方まで、幅広くご利用いただきたい」と話している。