山東省から学生訪問団 和歌山城見学など交流

和歌山城で学芸員から説明を受ける山東省の学生ら
和歌山城で学芸員から説明を受ける山東省の学生ら

和歌山県と中国・山東省の友好提携締結40周年を記念し、同省の大学生訪問団が25~29日の日程で県内を訪れている。県内の大学や高校を訪れ、両県省の未来を担う世代同士の交流を深める他、史跡や名所の訪問などを通じて和歌山の魅力を体感している。

両県省は1984年の友好提携以来、経済や観光をはじめ多分野で交流を展開しており、節目のことしは青少年交流団の相互派遣を行う。今回の山東省からの交流団は、山東大学と山東財経大学の2校から学生35人と教員ら総勢41人が参加している。

25日に省都・済南市と関西国際空港を結ぶ直行便で来日した一行は、26日は和歌山市の和歌山大学で学生らの歓迎を受け、交流した後、和歌山城を見学した。

市和歌山城整備企画課の学芸員の案内で、一行は西之丸庭園(紅葉渓庭園)や御橋廊下、天守などを巡り、約440年前に築城され、和歌山を治めた代々の藩主が暮らした場所であること、虎伏山の固い地盤の上に築かれ、堅固な石垣を擁していることなどの説明を受けた。

学生たちは、天守内に展示された当時の武具や装束なども見学し、記念スタンプの前では列を作った。市内を一望できる天守に登った時間帯には、東の空に虹がかかるという思わぬ幸運もあり、スマートフォンで記念撮影を楽しみながら、市のシンボルで過ごす時間を楽しんだ。

山東財経大学で日本の歴史や経済、文化などを研究し、今回が初来日という大学院2年生の姫媛媛さん(26)は、両県省の交流が40年に及んでいることについて、「これだけ長く続いている絆は珍しく、敬意を感じ、光栄に思う」とし、「和歌山は山東省と同じように歴史を感じる地域。和歌山城は特に歴史が深く、緑も美しく、心に響いた」と話した。

将来は通訳など両国の懸け橋となる仕事を目指しており、28日には県立日高高校を訪問する予定で、「中国に留学したい高校生がいるか関心がある。交流をきっかけに中国に興味を持ってもらえたらうれしい」と笑顔を見せていた。

訪問団は27日には、唐僧の為光上人が開いた紀三井寺、湯浅町のしょうゆ工場などを訪れ、民泊を体験した。

9月2~7日には、県内の大学生を中心とする39人が山東省を訪問し、青島市や済南市、世界遺産の泰山などを訪れ、現地の大学生との交流などを行う。